TOMO SAKAI

柳の樹の下で Willow Tree / op.037

 

気を流す木。正位置を思い出したいときに、この曲を。

生きていれば、萎れてしまうときもありますよね。
ひとりで頑張らなくてもいいんです。

安全な場所で立ち止まって、大きな存在に素直に甘えれば、一瞬でエネルギーが流れ込んでくるのですよ。

 

 

柳の樹の下で

 

背高のっぽで幹はスリム
威圧感なく柔らかい気を放つ
柳の樹

 

暖簾をくぐるように
「ごめんください」と入れてもらう

 

長く垂れ下がった
ドーム型の枝葉に囲まれてみれば
守られたシェルターから覗くように
隙間から世界が遠く見えた

 

空気の雑味が
フィルターにかけられて
細かすぎるほど滑らかな風だけ
ほんのり中へ届けられる

 

サラサラの髪の毛を
撫でるような感触を持つ
若葉色の細長い葉たち
先端の一束をそっと握れば
穏やかな息遣いの
リズムが流れてきた

 

同調していく呼吸とともに
気づかぬうちに
溢れていた涙が意味したのは
守られている絶対的安心感なのか

 

安全地帯は別世界への入り口へと
すり替わったと気づいたのは
元の世界へ戻ったあとだった

 

 

composer’s note

息ができない。
自分という火が消えてしまいそう。

そう感じると、助けてもらいたくて会いにいく存在。
柳の木。
名古屋市の鶴舞公園には、噴水の横に美しい3本の柳の木がある。

そっと幹に触れ、挨拶を交わし、風を感じて佇んでいると、まるで、しおれていた花が水を吸って生き返っていくような感覚になる。
柳の木から溢れる優しさが心を包み、そこはまさに聖地なのだ。
そこでは1秒がコマで見えるような、特別な時間が流れている。

たくさんの葉を下げた長い枝のおかげで、視覚化される風。そして、歓喜で飛び跳ねる木霊たち。
本当に優しい木。

大切な柳の木たちに敬意と感謝を込めて、この曲を捧げます。

ホッとできる、音楽を♪

曲名:柳の樹の下で Willow Tree
発売日:2022.07
曲の長さ:6’49”
主な楽器:ピアノソロ

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