TOMO SAKAI

「ピアノソロ」

柳の樹の下で Willow Tree / op.037

背高のっぽで幹はスリム 威圧感なく柔らかい気を放つ 柳の樹 暖簾をくぐるように 「ごめんください」と入れてもらう 長く垂れ下がった ドーム型の枝葉に囲まれてみれば…

幾千年の木 Usuzumi-Zakura / op.035

風のない晴天の下 いくつもの光の輪が降ってくる わずかな間に作るグラデーション 光を地上へ通してしまうほどの 繊細な色味の花をつけ 飛び跳ねて遊ぶ木霊たちを 目を細めて…

天空の楽園 Star Village / op.033

季節はずれのゴンドラに揺られ 沈んでいく夕日を見つめながら ボクらは1400メートルの山頂にやってきた 冷んやりとした大自然のクーラーに 顔をほころばせたキミを連れて 坂のない…

一輪の祈り Silent Prayer / op.028

裸足で歩いた砂利道が いつまで続くと笑いあい 結ばれし手を離すまいと 尽くすことなく繋いだ言葉 花咲いて 花舞いて この目に焼きつけた キミから受け継いだもの…

あかり灯 The Shrine Torch / op.025

陽の射す道筋が キミの居所を示すかのように ボクの視線を誘い出す 一歩と一歩が重なって ボクらが生きた足跡となり 雨水が溝をさらうまで ボクらの道は続いていた…

満月の夜に Night of the Full Moon / op.023

ボクが見つめていた満月を 同じときに見つめていた仲間がいる デコボコの月面を歩むように ボクの道にも光を射して この星がここにあるのだと 気づいてくれた仲間たち…

雪だるまの一生 A Life of Snowman / op.020

白い粉雪がはらはらと舞う 小さな手袋がやさしくすくい、太陽にかざして輝きを見る 惜しそうに握りつぶし、夏に遊んだ泥団子の記憶をよみがえらせ、まん丸の小さな玉と…

海から From the Sea / op.017

足に刺さる珊瑚が太陽の光をはね返し 水際へと誘う 波がそっと押し寄せて ふくらはぎに まとわりついては去ってゆく 幾度も、幾度も。波に呑まれて広がった…

霧雪 Snow Grains / op.014

白色が濁った絵の中に ひっそりたたずむ 一本の木 来る日も来る日も ほっそりとした枝を守りながら サクラ色の世界を夢見ている ふわりと霧雪…

雪片 Snow Flakes / op.007

万華鏡の中に入ってしまった雪ひとひら 薄い壁の向こうに光る太陽が、 雪片の美しさに磨きをかける ちらりと顔を見せて消える そしてまた、別の顔を見せる…

 

Copyright ©2022 TOMO SAKAI