月明かり射す 川面に散った 花びらのじゅうたんが 天の川のように 橋を渡す 十日の間だけ キミとボクをつなぐ道 あるがままを受け入れる 豊かさの念…
「あったかいね」 真っ白なプラネタリウムの中で キミのささやきがわずかに響く 小さな頬を真っ赤に染めて、ロウソクの炎を浮かべながら 屈託のない眼差し…
赤いもみじを脇役へ押し出し、急斜面から見下ろす 同じ方角に頭をもたげ、号令を受けたかのように、一斉に咲き誇る 薄ら暗い、違和感の中での桜は…
あおむし色の、スリムな幹の先には ハチミツ色のボタンをかけ 大きく花開く 濃紅色、桃色、白色 やさしい花束を広げたような コスモス畑…
「ちょっと肩たたきでも、しましょうか。 空っぽの部屋に差し込む夕日と、背中に感じる温もりが、 そっと混じり合って、優しさに変わる 秋の色 秋のにおい 秋のぬくもり…
美しい。さすが紅葉の名所だというだけある。赤黄茶の葉たちが互いに重なり合って、さわさわと風に揺れる。美しい。けれど、声が、聞こえない…
脇に生きる桜たち。「く」の字に枝を下へ垂らし、その先端にも目一杯 花を咲かせるこの木。そう、この桜…