TOMO SAKAI

「侘」

箱庭の小人 A Dwarf in the Miniature Garden / op.032

いつからか住みついた 箱庭の園で いくつもの視線を避けるように ひっそりと息をする ミクロの世界 消された生活感 耳を澄まし 目を見開けば ただ感覚を頼りに…

あかり灯 The Shrine Torch / op.025

陽の射す道筋が キミの居所を示すかのように ボクの視線を誘い出す 一歩と一歩が重なって ボクらが生きた足跡となり 雨水が溝をさらうまで ボクらの道は続いていた…

雪だるまの一生 A Life of Snowman / op.020

白い粉雪がはらはらと舞う 小さな手袋がやさしくすくい、太陽にかざして輝きを見る 惜しそうに握りつぶし、夏に遊んだ泥団子の記憶をよみがえらせ、まん丸の小さな玉と…

キーウェストへの道 The Road to Key West / op.016

海に浮かぶ 遠い昔の線路から 今なお、手を振る人々の影が残る 何千人もの思いを 途切れたアーチが物語り 風化に反比例してよみがえる…

霧雪 Snow Grains / op.014

白色が濁った絵の中に ひっそりたたずむ 一本の木 来る日も来る日も ほっそりとした枝を守りながら サクラ色の世界を夢見ている ふわりと霧雪…

雪と少女 Snow and a Girl / op.006

薄暗い部屋の真ん中に 少女がひとり 座っている ふわりとしたスカートからのぞかせる 白い靴下を見つめながら 小さな木の椅子を揺らしていた…

雪ホタル Snow Firefly / op.001

そう、それは、この街に雪が舞い降りた晩だった。白い息が、空気を裂くように姿を消し、木も、家も、人も、次から次へと凍ってゆく…