TOMO SAKAI

雪ホタル Snow Firefly / op.001


 

静かな夜。悲しみに浸りたいときに、この曲を。

人生には、浮くときもあれば、沈みそうになるときもありますよね。
たまには、心の暗い部分に浸ってもいいんです。

影を見つめれば、光が見えてくるのですよ。

 

 

雪ホタル

 

そう、それは、
この街に雪が舞い降りた晩だった。

 

白い息が、
空気を裂くように姿を消し、
木も、家も、人も、
次から次へと凍ってゆく。

 

緊張が頂点に達したその時、
すべてが、止まった。

 

そして、落ちてきた。
雪ホタル。温かい。

 

じわり、じわりと温もりが、
この街を包む。

 

ワレニカエル。

 

持ち上げた太ももを下ろし、
一歩、また一歩と進んでゆく。

 

動き出したそこにはもう、
雪ホタルはいない。
降るのはただの、白い粒。
街は、進む。
一歩、そしてまた、一歩。

 

あぁ、何処へ。
幻の、雪ホタル。

 

 

♠ composer’s note

雪は、実はあたたかいことを知らなかった。

北国の冬は、雪が降る直前が一番寒い。キリリとした張り詰めた寒さが頂点に達した時、ふわりと落ちてくる雪が、その空気をあたたかさで包む。まるで空からホタルが落ちてくるみたい。カチコチに凍った氷の塊に亀裂が入るように、その空気を打ち破る力さえある。

何も変わっていないようで、でも、明らかにその空気がちがう。人の意識も、ちょっと見方を変えるだけで、心が楽になる。

やさしい雪ホタル、降らしてみよう。

ホッとできる、音楽を♪

曲名:雪ホタル Snow Firefly
発売日:2011.02
曲の長さ:6’18”
主な楽器:ピアノ・オーケストラ

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