TOMO SAKAI

「爽」

紅ノ君 Dragon Ume / op.038

龍神集う 梅の園 大胆さと繊細さ 一筆書きの 幾柱もの昇龍が鎮座する ただ一つの無駄も存在しない すべてが計算しつくされた中に ボクまでも 数式の一つ…

白砂の色 White Sand / op.034

さらさらと風に流されて ころころと変わる気分で 形を作っては惜しげもなく壊して遊ぶ 何億年と生き続けた カブトガニの証人が 波打ち際で鎧を脱ぎ捨てた時…

風薫る Sweet Wind / op.030

「ヨイチョ!ヨイチョ!」 かけ声とともに 繋いだ手のひらが ほんのり汗ばんでいく 腰ほどある高さの階段を 一段一段のぼるキミに 歩みを合わせたあの日…

波際の向こうへ Over the Shiny Lake / op.027

ニセモノの地図を装った 行き止まりを見せないキミの姿 並々の模様をつけて膜を張り あちらこちらで金色の筋を受け入れながら 遥か彼方まで水面を貫き…

鯉流るる The Carp Streamer / op.022

洗濯した白いTシャツが、風に流されて飛んでいった 新緑の木々の葉が、さわさわと音を立てるたび、尾を一斉に天へ舞い上がらせた鯉が、やさしく手招きをする…

海から From the Sea / op.017

足に刺さる珊瑚が太陽の光をはね返し 水際へと誘う 波がそっと押し寄せて ふくらはぎに まとわりついては去ってゆく 幾度も、幾度も。波に呑まれて広がった…

麦穂のワルツ Waltz of the Wheat Fields / op.009

若葉色の麦が、いっせいに揺れる ちらりと覗かせる小麦色 ゆらゆらと、毛羽立った穂が うっすらと付いた足跡を追う ちょうどよく盛り上がった土に腰掛け 麦穂のダンスの鑑賞会…

Lovely Salt Breeze / op.008

太陽が真上に来たとき、その風は吹く 海をなで、浜辺の砂を散らし、いくつもの足跡を追って 小道をかけ抜ける 500メートル離れた街中へ、潮の香りを漂わせ…

 

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