龍神集う 梅の園 大胆さと繊細さ 一筆書きの 幾柱もの昇龍が鎮座する ただ一つの無駄も存在しない すべてが計算しつくされた中に ボクまでも 数式の一つ…
さらさらと風に流されて ころころと変わる気分で 形を作っては惜しげもなく壊して遊ぶ 何億年と生き続けた カブトガニの証人が 波打ち際で鎧を脱ぎ捨てた時…
「ヨイチョ!ヨイチョ!」 かけ声とともに 繋いだ手のひらが ほんのり汗ばんでいく 腰ほどある高さの階段を 一段一段のぼるキミに 歩みを合わせたあの日…
ニセモノの地図を装った 行き止まりを見せないキミの姿 並々の模様をつけて膜を張り あちらこちらで金色の筋を受け入れながら 遥か彼方まで水面を貫き…
洗濯した白いTシャツが、風に流されて飛んでいった 新緑の木々の葉が、さわさわと音を立てるたび、尾を一斉に天へ舞い上がらせた鯉が、やさしく手招きをする…
足に刺さる珊瑚が太陽の光をはね返し 水際へと誘う 波がそっと押し寄せて ふくらはぎに まとわりついては去ってゆく 幾度も、幾度も。波に呑まれて広がった…
若葉色の麦が、いっせいに揺れる ちらりと覗かせる小麦色 ゆらゆらと、毛羽立った穂が うっすらと付いた足跡を追う ちょうどよく盛り上がった土に腰掛け 麦穂のダンスの鑑賞会…
太陽が真上に来たとき、その風は吹く 海をなで、浜辺の砂を散らし、いくつもの足跡を追って 小道をかけ抜ける 500メートル離れた街中へ、潮の香りを漂わせ…