同じ景色を見ても、人はそれぞれそこから感じることはちがう。
同じことが起こっても、反応の仕方もそれぞれちがう。
同じ時間を共有していても、残る記憶はちがう。
だから、この世界は本当はとてもフラットで、そこに意味付けするのは我々人間なんだ。
そんなことを理解してからは、自分というフィルターについて考えるようになった。
私が音楽を創るとき、「目に見えない何か」に意識を向ける。
音として聞こえるときもあれば、もっと漠然とした何か、エネルギーのようなものを読み取る。
無の状態のように、心を穏やかにして、その何かを読み取る。
ただ自然を感じるように。
美しい音楽は、そこからやって来る。
私はただ、この物質世界の「音」にしてあげるだけ。
私だって人間だから、人生色々あるし、日常でも色んな影響を受けたりする。
自分の状態が良いときもあれば、そうでもないときもある。
音楽は、そんな私という媒体を通して生まれるわけだから、当然フィルターが詰まっていれば、もとの状態から離れてしまう。
できるだけそのままカタチにしたいからこそ、自分の純度を高めたい。
そんなことを思うようになった。