私は昔から、なぜ人は生きるのか?
といったような哲学的なことを考えていた。
自己犠牲、自己否定、無価値観、その辺りが当たり前で、自分を出すのが苦手だった。
相手の気持ちを考え過ぎて人を優先して、自分は我慢する方が楽だった。
即興でピアノを弾くと、自分の心が癒され、たいていどこか物悲しい曲になった。
そんなストレスを密かにためて生きてきたわけだけど、人が喜ぶのが純粋に好きでもあった。
数年前にブームになったアドラー心理学。
「すべての悩みは人間関係にある」というアドラーの教えを分かりやすく書いた本「嫌われる勇気」。
その本を義姉にプレゼントされ、そのタイトルを見ただけで、「そうか!勇気だったんだ!」と衝撃を受けた。
夢中で読んだその本には、それまで求めていた答えが書いてあった。
アドラー心理学だけでなく、様々な本を読みあさり、そして、病気という実体験であれこれ辛い思いをして試行錯誤して考え続けて、やっと、人はどう生きたらいいのか、分かってきた。
そのおかげで、随分ラクに生きられるようになったから、私にとって病気という体験は無くてはならないものだったわけだ。
なぜ子供の時に、どう生きたらいいのか、「生き方」の授業がないのだろう?
なぜ大勢の大人が、社会で人間関係に悩んでいるというのに、「人間関係」の授業がないのだろう?
そんな疑問がいつも湧く。
もし子供の頃に知っていたら、随分生きる道が違っただろうなあ、なんて思う。